「空気を読む」行為は、日本人の専売特許だと思っている人が多いですが、そんなことはありません。アメリカ人も同じことをします。英語ではこう言います。
read social cues「読む」という単語を使う部分が、日本語に似ています。直訳すると、「社交の合図を読む」となります。「空気を読む」と全く同じ意味です。
例:He doesn’t read social cues.(彼は空気を読まない。)
アメリカへ来て数ヶ月の時に、テレビを見ていたら、コメディーのドラマをやっていました。主人公らしき女性が、友人のディナー・パーティーに招待されました。招待した方が、「何も持って来ないでいいから。」と言ったので、主人公は手ぶらで行きましたが、他に招待された人達は、みんな料理なり、ワインなり、手土産を持って来ていました。困惑した主人公は、持って来た物を置いて、他の招待客と話し込んでいる人の側に、こっそりと歩み寄っていて、その人が持って来た物を盗んで、招待してくれた人に、「どうぞ」と渡していました。取られた方は、ふと気が付いたら、持って来た物がなくなっていたので、驚いた顔して、周りを見回すというのが、オチでした。
これは見た私は、軽いショックを受けました。「何も持って来ないでいいから。」と言われても、額面通りに受け止めないで、何か持っていくのは、極めて日本人的行為だと思っていたのに、アメリカ人も同じです。
そう言えば、チャップリンのサイレント映画でも、チャップリンと男性が、レスランで食事をし、勘定を、「私が払います」という様に、2人が交代で自分の手元に持って来ているうちに、相手が「そうですか」という感じで、チャップリンの前から取らなくて、チャップリンが困った顔をしてたシーンがありました。自分が全額支払う気がないのに、「私が支払います」と、お互い数回言い合う儀式の後に、「それなら割り勘にしましょう」というのが、社交的ルールだったのだと思います。
でもこれは、テレビや映画のコメディーです。話しを面白くするための筋書きで、大袈裟にしているだけで、実際には違うのかもしれないとも思いました。ところが、実際、アメリカ人の家に招待されると、招待客の殆どが、何かを持って来ます。集まったみんなで食べられる料理を持って来る人もいれば、招待してくれた人に対してのワインやシャンペーン、チョコレートやクッキー、お花を持って来る人もいます。
テレビ番組では、招待された時に持って行く物の選び方を、説明していることもあります。そして、「何も持って来なくていいから」と言われた時には、どうしたら良いか?」という質問もありました。答えは、「集まった人全員で食べるものではなく、招待してくれた人に対して、チョコレートやワイン等を用意するべき。ワインやシャンペーンなら、冷やしたものを持って行かない。冷やしていると、これを出せと言っているようなものだから。」とのことでした。これは、空気を読むというより、暗黙の了解、社交的ルールと言った方が良いかもしれません。
又、「冷やしたワインやシャンペンを持って行くと、これを出せと言っているようなもの」ということは、逆に、パーティーを主催する側としては、お客さんから、冷やしたワインやシャンペンを貰ったら、「みんなで飲みましょう」という「social cues」を読まないといけないというこにもなります。仕舞い込んで出さないと、「あの人は空気を読まない」、「He(She) doesn’t read social cues.」と言われかねないです。
アメリカ人は、何でもはっきり言うから、額面通りに理解すれば良いと思っていると、恥をかくことになりかねません。空気を読みましょう。
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